フリーランスって何?
働き方改革という言葉が影響しているのでしょうか。最近、フリーランスという言葉をよく耳にします。フリーランスというのは、どこかの会社の一員としてではなく、お客さんから仕事を請け負う形態の働き方です。例えば、ブロガーやアフィリエイター、ユーチューバーなどは、フリーランスです。その他、記事のライターやITエンジニアなどでも社員ではなく、フリーランスの人がいます。ちなみに、旅するエンジニアことキューティー吉本も、フリーランスです。
言い換えれば、フリーランスは個人事業主であり、自営業です。しかしながら、個人商店の店主や、農家、開業医などのように、自営業なんだけれどもフリーランスとは呼ばれないケースがあったりします。では結局フリーランスってどんな職業の人なのかと言われると難しいのですが、おおむねクリエイティブな職種の個人事業主のことをフリーランスと読んでいるケースが多いみたいです。
フリーランスと正社員の違い
では、フリーランスと正社員は具体的にどこが違うのかというと・・・
どこの会社とも雇用関係にない
正社員や契約社員、アルバイト、フリーターは、会社と雇用契約を結んでいます。
これに対して、フリーランスはどこかの会社に雇われているわけではありません。従って、どこかの会社と雇用契約を結んでいるわけではありません。早い話が、どこかの会社に雇われているわけではないということですね
自分で意思決定できる
正社員は会社に雇われているわけなので、仕事をするにしても「お客さんの意思」「自分の意思」に加えて、「会社の意思」がどうしても入ってしまいます。
しかし、フリーランスは従業員数0名の社長のようなものでして、「会社の意思=自分の意思」というわけです。なので、「お客さんの意思」と「自分の意思」だけを考えればいいのです。
基本的に何でも一人でやる
会社組織の場合、仕事を取りに行く人は営業。会社のお金の出入りを管理する(その結果、会社の法人税額が決まるのですが)人は経理。社員の給与や源泉所得税を計算したり、社員を採用したりする人は人事と、職種ごとに役割分担されています。
フリーランスは、基本的に営業や経理の仕事も全部自分でやります。ただし、経理業務を代行してくれる会社はありますし、職種によってはフリーランスの営業を代行してくれる会社はあります。
収入は給料ではなく売上
正社員や契約社員、アルバイト、フリーターは、会社から給料をもらうことで収入を得ています。もう少し難しい言い方をすると、給与所得が収入源というわけです。
フリーランスは給料ではなく、仕事に対する対価はお客さんから直接いただきます。もう少し難しい言い方をすると、お客さんからの売上が収入源というわけです。
確定申告は必須
正社員の場合、所得税は毎月の給料から源泉徴収という形で天引きされます。しかも、年末調整と言って、1年分の所得税額と源泉徴収税額との差分調整は人事がやってくれます。このため、確定申告すれば還付金が返ってくるケースや複数の会社から給与所得を得ているケース、高額年収を得ているケースを除いて、確定申告は不要です。
フリーランスは、必ず確定申告をしないといけません。フリーランスの場合、源泉徴収されるとは限らず、例え源泉徴収されたとしても、年末調整という制度がないので、1年分の所得税額は確定申告しないとわからないというわけです。
国民健康保険と国民年金に自分で加入
正社員の場合、健康保険は各会社が所属する健康保険組合の健康保険です。また、年金は厚生年金です。
フリーランスの場合、健康保険は国民健康保険、年金は国民年金です。 実はこの違いが大きくて、正社員は健康保険も年金も、会社が入る形なんです。ところが、フリーランスは自分で加入するんです。更に、正社員の場合は半額が会社負担なのですが、フリーランスは全額自己負担なんです。
基本的に労災や賞与、退職金はない
正社員や契約社員、アルバイト、フリーターの場合、仕事中にケガをした場合は雇用主、つまり会社の責任ということになります。
フリーランスは雇用主がいないので、仕事中にケガをした場合は基本的に自己責任です。また、フリーランスは給与所得をもらっていないので、賞与や退職金はありません。ただし、最近だと賞与や退職金制度がない会社もありますし、自営業者のための退職金積立制度があったりするので、「フリーランスは賞与・退職金がない=デメリット」とは一概に言えません。
フリーランスのメリット
こうして書くと、正社員はいかに会社に守られているかがお分かりいただけると思います。では、なぜフリーランスになる人がいるのか、フリーランスのメリットを説明します。
引き受けるかどうかは本人の自由
やはり一番大きいのはここです。正社員・・・だけじゃなくて、契約社員やアルバイト、フリーター、派遣に至るまで、従業員は会社の指示に従わないといけません。なので、会社からやれと言われたことはやらないといけないのです。
フリーランスの場合、仕事を引き受けるかどうかは自分で決めていいのです。なので、やりたくない仕事は断っても全然問題ないんです。ただし、「本当はやりたくないんだけど、売上は欲しいし・・・」という理由で仕事を引き受けなければならないケースはあるのですが、それも含めて自分で決められるんです。
また、従業員は会社の指示に従わないといけないので、
- 転勤しろと言われたら従わなければならない
- 配置転換だと言われたら従わなければならない
- だから営業をやりたくない人でも、営業に配置転換されれば営業をやらなければならない
- 会社が引っ越したら、勤務先の住所も変わってしまう
- だから会社が引っ越したら、せっかく会社の近くにお家を買っても無駄になる
- 会社がテレワークをやめると言ったら、自分もテレワークをやめて出社しなければいけない
- だからテレワークを前提とした仕事をしにくい
という問題があるのですが、フリーランスの場合はその問題がありません。もっとも、仕事が欲しいから営業をするケースがないとは言い切れませんが。
労働時間は本人の自由
正社員の場合、基本的に決められた就業時間内は仕事をしないとダメです。例えば、就業時間は9:00~18:00(12:00~13:00が昼休み)の場合、有給休暇を取らない限りは9:00~18:00は仕事をしないと欠勤になってしまいます。なぜかと言うと、正社員に限らず、従業員は働いた時間に対して給料をもらうという風習が今もなお根強く残っているからです。ここがネックになって、子育てや親の介護の関係で、正社員として働けない人が少なからずいるのも事実ではあります。
フリーランスの場合、いつ仕事をするかは本人の自由です。なぜかと言うと、フリーランス・・・というより自営業は働いた時間というよりは、仕事した結果に対する売上が収入だからです。 もちろん、お店を出した場合の営業時間とか、「〇時~〇時に仕事して欲しい」という契約を引き受けたとか、引き受けた仕事が忙しすぎて自由な時間がなくなると言った事情で、時間が完全に自由になるとは限らないのですが、こういう仕事を引き受けるかどうかは自分で決められます。
一般的に、正社員より高収入
同じ仕事をした場合、正社員よりもフリーランスの方が高収入です。 前述の通り、正社員は色々な縛りがある反面、いざというときには会社が面倒を見てくれます。逆を言うと、会社は色々正社員の面倒を見ないと行けないんです。しかも、仮に不景気で仕事がなくなったとしても、正社員の給料は払い続けないといけません。なので、万一仕事が減ったとしても正社員の給料を支払えるよう、景気がいいときにお金を貯めておかないといけなくて、その結果として景気がいいからと言って給料を簡単に上げるわけにはいかないんです。
フリーランスの場合、売上は自分の言い値と、お客さんの言い値、それに対する需給バランスで決まります。なので、「高いお金を出してでも欲しい」商品を作っていたり、「猫の手も借りたいぐらい仕事がいっぱいある」状態だったりすれば、必然と売上は上がります。その代わり、景気が傾いたときに仕事がなくなるリスクはあるので、お金が入っているときにある程度自分で貯めておかないといけません。
副業をしても問題ない
正社員の場合、副業が禁止されているケースが多いです。その理由の一つとして、会社は従業員の労務管理をしないといけなくて、副業を許してしまうと過重労働があった場合の責任の所在が不明確になってしまうからなのです。
フリーランスの場合、そんなの関係ありません。「本業のタレント業では食べていけないので、副業のアルバイトで食いつないでいました」というのはよくあるケースですし、いくつかの仕事を掛け持ちしているフリーランスもいます。
フリーランスになるには?
「どうやったらフリーランスになれるんですか?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、フリーランスになるのは簡単です。手続きはたった一つ、税務署に行って開業届を出すだけです。
ただし、フリーランスになれるかどうかという話と、それで食べていけるかどうかという話は違います。仮にフリーランスになったとしても、仕事をしなかったら無職の人で、当然収入はゼロです。なので、どんな仕事をしたいのかを見極めたうえで、その道のプロになるのがフリーランスになる、でもってフリーランスでちゃんと食べていけるための方法なんじゃないかと思います。
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